近年、自動車の所有形態は大きく変化してきました。従来の「購入」や「リース」といった選択肢に加え、月額料金を支払うだけで車を利用できる「サブスクリプションサービス」が登場し、自動車業界に新たな風を吹き込んでいます。このサービスは、車の購入やリースに比べて柔軟なプランが特徴で、メンテナンス費用や税金が含まれているため、手間をかけずに車を使いたい人に人気です。この記事では、日本国内で利用できる代表的な車のサブスクリプションサービスを比較し、それぞれの特徴や価格、メリット・デメリットを詳しく解説します。
車のサブスクリプションサービスとは？
車のサブスクリプションサービスは、月額料金を支払うことで自動車を一定期間利用できるサービスです。料金には、自動車保険、メンテナンス、税金などが含まれている場合が多く、追加のコストを考えることなく、車に乗ることができるのが大きな魅力です。さらに、契約期間が柔軟で、数ヶ月単位で契約できるサービスもあり、短期間だけ車を利用したい人や、ライフスタイルに合わせて車種を変更したい人にとって最適な選択肢です。
主な車のサブスクリプションサービス
ここでは、代表的な車のサブスクリプションサービスとして、「KINTO」「NOREL」「カレコ・カーシェアリングクラブ」「DeNA SOMPO Carlife」の4つを紹介し、それぞれの特徴を比較します。
1. KINTO
価格とプラン
KINTOはトヨタが提供するサブスクリプションサービスで、トヨタ車やレクサス車に特化しています。契約期間は3年や5年の長期プランが基本ですが、途中で車を変更したり、契約を解約するオプションも用意されています。料金には、メンテナンスや自動車保険、税金が含まれており、ユーザーは燃料費だけを負担すればよい仕組みです。
• 料金例（トヨタヤリス）：月額46,200円〜
• 料金例（レクサスUX）：月額99,000円〜
コンテンツと特徴
KINTOの魅力は、トヨタ車やレクサス車という信頼性の高い車種に乗れる点です。契約期間中に車検や修理が発生しても、すべての費用が含まれているため、予期しない出費を気にせずに済みます。また、トヨタの公式サービスであるため、全国のディーラーでメンテナンスを受けられる点も大きな安心材料です。
さらに、KINTOはカーシェアリングとは異なり、契約期間中は自分専用の車を持つことができるため、プライバシーや車内の快適性を重視するユーザーにも適しています。
メリット
• すべてのコストが月額料金に含まれているため、予想外の費用がかからない。
• トヨタやレクサスの新車に乗れる。
• 全国のトヨタディーラーでメンテナンス対応が可能。
デメリット
• 契約期間が3年や5年と長期的なため、短期間での利用には向かない。
• 他の車種への乗り換えが自由にできるわけではない。
2. NOREL
価格とプラン
NORELは、好きなタイミングで車を交換できる柔軟なサブスクリプションサービスです。契約期間は3ヶ月から利用可能で、車を複数回交換することもできるため、様々な車に乗ってみたいという方に最適です。料金は車種によって異なりますが、ベーシックなプランから高級車まで幅広い選択肢があります。
• 料金例（ホンダN-BOX）：月額39,800円〜
• 料金例（BMW 3シリーズ）：月額129,800円〜
コンテンツと特徴
NORELの最大の特徴は、自由に車を乗り換えられる点です。例えば、季節やライフスタイルの変化に応じて、コンパクトカーからSUV、さらにはスポーツカーに変更することができます。これにより、長期的に同じ車に乗ることが飽きやすい人や、車種の違いを楽しみたい人に非常に適しています。
また、NORELは中古車を主に提供しているため、新車にこだわらない人にとっては、リーズナブルな価格で高級車に乗れるチャンスが広がります。
メリット
• 短期間（3ヶ月）から契約可能で、自由に車を変更できる。
• 車種の選択肢が豊富で、スポーツカーや高級車も含まれている。
• メンテナンスや保険が含まれており、追加コストが発生しにくい。
デメリット
• 新車の提供は少なく、中古車が主流。
• 高級車の場合、月額料金が高くなる傾向がある。
3. カレコ・カーシェアリングクラブ
価格とプラン
カレコは、三井不動産リアルティが提供するカーシェアリングサービスですが、サブスクリプション形式のプランも提供しています。月額の基本料金に加えて、利用した分だけ支払う従量課金制となっており、頻繁に車を利用する必要がない人や、短時間だけ利用したい人にとって便利です。
• 月額基本料金：980円〜
• 従量課金（時間制）：10分あたり160円〜
コンテンツと特徴
カレコは、東京都を中心に全国各地に拠点を持っており、いつでも手軽に車を借りられるのが大きな利点です。専用のアプリを使って簡単に予約でき、短時間から長時間の利用まで柔軟に対応してくれます。また、燃料費が料金に含まれているため、ガソリン代を別途支払う必要がない点も嬉しい特徴です。
さらに、車種はコンパクトカーやミニバン、さらには高級車まで揃っており、必要に応じて車を選ぶことができます。例えば、日常的に軽自動車を利用し、週末に家族でミニバンを利用するといった柔軟な使い方が可能です。
メリット
• 車の利用頻度に応じて、従量課金制で支払えるため無駄がない。
• 拠点が全国にあり、手軽に車を借りられる。
• 車種が豊富で、様々なニーズに対応している。
デメリット
• 長期間の利用には適していない。
• 自分専用の車がないため、車内のプライバシーが確保されにくい。
4. DeNA SOMPO Carlife
価格とプラン
DeNA SOMPO Carlifeは、DeNAと損保ジャパンが提携して提供する車のサブスクリプションサービスです。月額料金に自動車保険やメンテナンス、税金が含まれており、車を所有することなく手軽に利用できる点が特徴です。また、契約期間も1年から5年まで選べるため、長期的に利用したい人に適しています。
• 料金例（トヨタアクア）：月額49,800円〜
• 料金例（ホンダフィット）：月額52,800円〜
コンテンツと特徴
DeNA SOMPO Carlifeは、トヨタやホンダ、日産など日本車を中心に、信頼性の高い車種を提供しています。特に、安全性を重視した車種やエコカーが多く、ファミリー層や通勤用に最適です。また、契約期間中は定期的なメンテナンスが含まれているため、車の維持に手間をかけたくない方にも向いています。
さらに、サポート体制も充実しており、24時間のロードサービスが含まれている点も大きな安心材料です。万が一の事故やトラブルがあっても迅速に対応してくれるため、車に不慣れな人でも安心して利用できます。
メリット
• 日本車の信頼性が高く、安全性やエコ性能を重視した車種が揃っている。
• 自動車保険やメンテナンスが含まれているため、追加のコストが発生しにくい。
• 24時間のロードサービスが付帯しており、万が一のトラブルにも対応可能。
デメリット
• 契約期間が1年から5年と比較的長期のため、短期的な利用には向かない。
• 車種の選択肢がやや限られている。
まとめ
サブスクリプションサービスの選び方
車のサブスクリプションサービスを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。
• 利用頻度：頻繁に車を使うのか、それとも週末だけの利用なのかによって、定額制や従量課金制を選ぶべきです。
• 車種の好み：特定の車種や新車にこだわる場合は、KINTOやDeNA SOMPO Carlifeが適しています。逆に、いろいろな車を試したい場合はNORELが最適です。
• 期間：短期間の契約を希望する場合はNORELやカレコ、長期間利用したい場合はKINTOやDeNA SOMPO Carlifeが向いています。
• コスト：月額料金に含まれる内容をしっかり確認し、追加のコストが発生しないかチェックしましょう。
車のサブスクリプションサービスは、購入やリースと比べて手軽で柔軟性が高い選択肢です。特に、ライフスタイルに応じて車を変えたい、あるいは短期間だけ車を利用したいといったニーズに最適です。それぞれのサービスが持つ特徴をしっかりと理解し、自分のライフスタイルや予算に合ったプランを選んで、快適なカーライフを楽しんでください。
